ピストンリングのあゆみと進化

当社は、2014年12月に会社設立80周年を迎えました。
まさに日本のモータリゼーションの発展と共に歩んだ道のりです。
そこでこのコーナーでは、時代と共に進化したピストンリングの歴史をたどってみましょう。

ガソリンエンジン用ピストンリング

ディーゼルエンジン用ピストンリング

ガソリンエンジン用ピストンリング

誕生期
1854年ラムスボットムが自己張力を持ったピストンリングを開発。
内燃機関の実用化が可能となる。
1886年ドイツのダイムラーとベンツがガソリン自動車を作り、
自動車の歴史が始まる。
1908年T型フォードの大量生産開始。自動車の大衆化がはじまる。
1931年日本ピストンリング製作所を埼玉県川口市に創業。
1935年日本国内で自動車の大量生産が始まる。
 

参考資料 (社)自動車工業振興会 自動車ガイドブック(Vol.44、46) 他

~60年代 黎明期~成長期
長寿命化(高耐久性)
ピストンリングの使用(代表例)
母材は全て鋳鉄製。オイルリングはカッターオイル。
合計h1(幅)寸法 = 9.8mm
~80年代 成長期~繁栄期
高出力化・高回転化・燃費規制(CAFE)対応
ピストンリングの使用(代表例)
70年代に3ピースオイルリングを製品化
スチールリング(窒化処理施工)の製品化
合計h1(幅)寸法 = 6.0mm
~00年代~Future 多様化・熟成期
地球環境保全への対応強化(燃費向上)
ピストンリングの使用(代表例)
ピストンリングの合計張力は、'96年比
▲50%に低減。極限への挑戦がつづく。
合計h1(幅)寸法 = 4.9mm
課題 燃料消費の低減 フリクションロスの低減化 軽量化・高追従性 対応策 ●溥巾低張力化/追従性向上 巾寸法(h1)=comp 0.8~1.0 oil 1.5~2.0mm ●システムの最適化(ピストン・リング・ボア表面・オイル)

ディーゼルエンジン用ピストンリング

誕生期
1887年ドイツのR.ディーゼルによりディーゼルエンジンが完成された。
1924年ドイツのベンツ社が世界で始めてディーゼルトラックの発売を開始する。
1931年日本で、海軍の舟艇用、陸軍の車両用エンジンとして製作開始。その後トラック市場へ展開。
1959年日本で、ディーゼル乗用車の生産が本格的に始まる。
 

参考資料  (株)山海堂 自動車工学全書 5巻

~60年代 黎明期~成長期
長寿命化(高耐久性)
ピストンリングの使用(代表例)
ピストンリングは、5本セットが一般的。
70年代に2ピースオイルリングを製品化。
合計h1(幅)寸法 = 18.0mm
~80年代 成長期~繁栄期
高出力化(直噴・過給化)・EGR化
ピストンリングの使用(代表例)
スチール製オイルリングが製品化され薄幅、
薄肉化により、追従性が向上する
合計h1(幅)寸法 = 14.4mm
~00年代~Future 多様化・熟成期
地球環境保全への対応強化(排ガス規制)
ピストンリングの使用(代表例)
一層厳しくなる排出ガス規制。
さらなる環境への適合に向け開発を進めています。
合計h1(幅)寸法 = 9.8mm
課題 排気ガス規制への対応 耐高Pmax=耐摩耗・耐スカッフ オイル消費の低減 対応策 ●合金PVD(Cr-B-N)etc. ●シリンダライナーとリングのマッチング設計

NPRの研究・開発

最適設計と評価技術でお応えします。

高機能を求められるエンジン部品にとって、摩擦と磨耗は避けることのできない課題です。 NPRでは、材料設計・製品設計技術と評価技術を一体化し、高品質・高機能な製品を提供するための、充実した研究・開発体制を構築。 コア技術である「トライボロジ技術」を活かし、基礎研究分野から実機評価試験に至る広い分野で、さまざまな研究・開発を行っています。

材料設計技術 製品設計技術 + 評価技術 → 最適製品仕様のご提案 製品開発の効率化 ・開発期間の短縮 ・開発コストの削除

NPRの評価技術

単体試験による評価技術例
ピストンリング
  • 拡張試験
  • 疲労強度試験
  • 組付変形試験
  • 熱へたり試験
  • 耐食試験
  • 耐摩耗試験
  • 耐スカッフ試験
バルブシート
  • 高温弁座摩耗試験機
  • 被削性試験
カムシャフト
  • スカッフ/ピッチング試験
  • 曲げ試験
  • ネジリ試験
  • せん断試験
シミュレーション技術例
  • リング軸方向挙動計算
  • 3ピースオイルリング挙動計算
  • ピストンスラップ計算
  • 摺動面油膜厚さ計算
  • FEM解析(I-DEAS, CATIA, ADAMS)
  • ピストンリング摩擦力試験
  • カム、リフター間の摺動面フリクション計測
モータリングによる評価技術・実機評価技術例
モータリング
  • 実機エンジンモータリング試験
  • シリンダヘッドモータリング試験
  • シンクロナイザ機能試験
実機評価
  • 各種モードエンジンテスト評価
  • 耐久エンジンテスト評価
  • リンク装置によるリング挙動解析

シミュレーション技術

I-DEAS によるオイル挙動解析 ピストンリング摩擦力試験

実機評価技術/単体評価技術

エンジンテスト
バルブシート単体リグ試験 ローラ・チップ磨耗試験

評価技術

X線マイクロアナライザ X線解析装置

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